弁護士目線で考えること

「自立してる女性かっこいい」の違和感

先日、取引先の男性2人とルノアールでお茶してて、こんな話になりました。

「自立してる」って女性にしか使わない形容詞だよねと。

働いてる女性に「自立しててカッコいいですね」というのはホメコトバとして違和感ないのだけど、他方、働いてる男性に「自立しててカッコいいですね」って言ったら、「あたりまえだろ、何言ってるのかな?この人」ってなるよね、と。

まさにそこが、まだまだ男女対等になっていないわれわれの社会の課題だねえ、と思いました。

 

私たち弁護士がいる世界は、男も女も同じ土俵で「はっけよい」と相手とやりあわねばならない世界です。

女性の弁護士だからって、「自立しててえらいね」「だから座布団1まいあげるね」とかいって提出した証拠の価値を高く見積もってくれるわけでもありません。

対等であることを当たり前に求められる構造の中で働いているわけです。

なので、仕事の場面では、自分が女性であることは完全に忘れています。

化粧するのもヒゲを抜くのも面倒でしかない時もあります。

たまに、出先の法律相談なんかで女性のお客様から「女性の弁護士さんでよかったー」とか言われると、

「あっ!そうなんだ。わたしは女性だったんだ」

「女性弁護士であるためにはどうすりゃいいんだっけ」

 と思ったりもします。 

ヒゲのくだりはさておき、この感じは多分多くの女性弁護士には共感いただけるのではないかと思います。

 

しかーし。

そのくらい普段は性別に頓着していない業界でありながら、なぜか家事に関しては、「女性が第一義的責任者」という風潮を甘んじて受けているケースがすくなくありません。

外では大黒柱として働きながら、家に帰れば家事や子どもの世話など、多数のタスクを一人でこなしてる、他方の夫はずっとテレビ見てビール飲んでる、という女性弁護士の話を複数知ってます。

あと、「子育て手伝ってるよ。俺えらいでしょ」という夫の話も聞きます。

そういう話を聞くと、「夫呼びつけて説教してやる!」とか「手伝うとか何言ってんの。子育ては父親自身の法的義務なんだよ!」と思ったりしますが、多分彼らにとってはそれがスタンダード。

親のやり方を見て骨身にしみてしまった常識なのでしょう。

多分女性の側も、まあそういうもんか、と受け入れている現実があると思う。

そういう、女が家の責任者、という拭えない感覚も、「自立してる女性かっこいいね」という社会の風潮と根っこでつながっているんだろうね。

よく知ってる業界なので、女弁護士業界の話をしましたが、どの社会でも同じなのだと思います。

会社でも、個人事業主でも。

みんながこの違和感を共有できる社会までもうすぐなんだろう。 それまで元気で働きたいものです。

 

社会人の女性に向かって「自立していて素敵ですね」とかうっかり言ってしまうと、思わぬ反感を買うかも知れませんので、お互い用心しましょう。

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