弁護士目線で考えること

相手基準で考えていたら自分の権利は守れない。

最近、仕事中にいくつかのコトバがふってくることがあります。

 

ついに、私も悟りを開いてスピリチュアル系にジョブチェンジなのか??という話ではなく、あくまでも現実的なこと。

 


 

先日、とある法律相談で、たまたま3人の全然別件の相談者にお話ししたセリフがあります。

 

「相手基準で考えていたら自分の権利は守れないですよ」

 

というもの。

 

家庭内や職場のように、「相手のことをよく知っている」というシチュエーションでおきる紛争に多いのが、相談者が、相手当事者の受け取り方をまず気にする、というパターンです。

 

例えば、

 

「こんなことを言ったらどう思われるかわからない」

「相手は絶対そんなことしてほしくないと思ってる」

 

自分のとる行動で相手に影響を与えてしまうことへの罪悪感があるんですよね。

 

たしかに、権利が対立している場合、自分の権利を主張すると相手の権利に影響が出る、というのは避けられない場合もあります。

例えば、こちらが100万円勝てば相手が100万円負けるとか。

 

でも、もしもその権利主張が正当なものであって、その権利主張をしなければ今自分のおかれているマイナスの状況から抜け出せないならば。

 

そこは腹をくくって権利主張するしかない。

 

たとえ相手に影響を与えたとしても。

 

もちろん相手の方だって、おかしいと思えば自分の権利を守るために反論してきます。

 

そうやって反論、再反論を繰り返して、互いの主張の正当性が精査されていくわけです。

 

紛争の解決、というのは本来こうして両者が主張をすることを想定しています。

 

でも、「主張できない」という人が多いですよね。

 

 

これって、実は変な社会通念のせいだと思うんです。

 

自分の経験を思い返すと、どうもこの社会では、「相手のために」「みんなの幸せ」を優先することが美徳とされるふしがありませんか?

 

みんなのためなら自分が我慢する、というような。

 

でも、相手を幸せにするのは相手自身。誰も、他人を幸せにすることなんかできません。

 

「みんなの幸せ」は、一人一人の「自分」が作るのです。 犠牲になる人なんて一人も要らない。

 

 

だから、まず自分を幸せにするということが大事。「自分ファースト」上等ってくらいに思っていていいわけですよ。

 

 

冒頭のセリフを法律相談でお話しした時、3人の相談者は皆さん、ハッという顔をして「そうですよね」とおっしゃいました。

 

そして、お一人は、「強くならないといけませんね」と噛みしめるように呟かれました。

 

もちろん、私の一言で問題が解決するわけではありません。

 

でも、相談者がそれまで持っていた固定概念を外して、考えられる選択肢を増やすことも、弁護士の大事な仕事の1つだと思います。

 

 
★ブログランキングに参加しております。いいね!と思った方にクリックしていただけるとうれしいです。↓
ブログランキング・にほんブログ村へ
人気ブログランキング投票

 

コミュニティのご案内

\事業者に嬉しい特典が満載/
お申込み受付中

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です