FQA〜ご相談(高リスクの事例1「妻vs夫実家」)

今日はご相談の中でも

よくあがる事例をあげていきますね。

 

Q家族は夫、私の二人です。子どもはいません。

夫の両親はすでに他界しています。

夫にはあまり仲の良くない妹がいます。

私と夫は、夫名義の不動産に住んでいます。

先ごろ夫にステージ2のガンがみつかりました。

今のところ命の危険はないと聞いていますが、

万一のことが気になり始めました。

もしも夫がなくなってしまったら

何かトラブルが起こるのでしょうか、

考えられるリスクを教えてください。

「仲の良くない兄弟」は深刻なキーワードですね。

だいたい、仲がいいと思っていた兄弟でさえ

いざとなると相続で争い初めたりしますので、

現時点で「仲の良くない兄弟」がいる場合、

ほぼ確実に対策が必要です。

そうして、「子どもはいません」というのが

最も注意ポイントです。

子どもがいないことにより、

夫の遺産が誰と誰にひきつがれることになるか、

法定相続分で確認してみましょう。

法定相続第①順位の子どもがいない場合、

③と相続権が移っていきます。

ご相談者さんの夫の両親はすでに他界していますので、

この場合、夫にもしものことがあれば、

配偶者と第③順位の妹が一緒に相続人になるわけです。

配偶者&兄弟の場合、

配偶者保護の観点から相続分は

配偶者3/4と兄弟1/4です。 

しかし、この第③順位の兄弟相続分を

法律が定めていることが、古今東西、

数々のトラブルをまきおこしてきたと言っても

過言ではありません。 

  

なぜなら、

そもそも別の血族である嫁vs夫実家が

夫の財産を巡って対立してしまう構造に

なるわけですから。  

 

このキャラクターでいうと、笑顔の奥様と実家の妹が対立するわけですね。 

 

 

これは推測ですが、

この第③順位の兄弟相続を作った立法者の発想は、

「それが嫌なら遺言すればいいだろ?

みんな遺言作るんだろ?」

という感じだったのではないでしょうか。 

 

でも、結局、現在、

遺言は10人に1人くらいしか作っていないのが現実。 

 

そのあたりの制度設計者による啓蒙が

まるで足りてないために、

多くの人が相続で大変な思いをしてるのではないかと

思います。

  

 

そういう現行法への文句はさておき。 

 

配偶者保護の観点から

法律で妹の取り分が1/4になっているとはいえ、

遺産に不動産があると大変です。 

 

不動産が4000万円であれば、

妻が今住んでいる家に住み続けるためには

妹の取り分相当の現金1000万円を

どこからか用意してきて

妹に渡さなければならなくなるわけです。 

 

生真面目にローンを早く減らしたいからと、

貯金を注ぎ込んでローンを前倒し

弁済している方も多いと思いますが、

そういう不動産にかたよった資産形成をしている方は

要注意です。  

 

夫の死後、代償金を用意できないと、

場合によっては夫名義の不動産は

売却しなければならなくなるというケースは

少なくないのです

 

さて、ではこの相談者さんのケースでは

どうしたらよいか??

一言でいえば速攻遺言つくろう! 

 

です。 

 

 

すべての財産を妻に相続させる、

というだけの遺言でもいいです。 

 

それさえあれば、このケースでは

妹の取り分はなくなり、

夫に万が一のことがあっても、

不動産は妻の単独名義に登記できます。 

 

 

ただ、夫の不動産が先祖代々の土地だったりすると、

この不動産を妻に譲るというのには

夫ももらう側の妻自身も抵抗があるかもしれません。 

 

そういう場合にも、妻が最後まで

夫の残した家に住み続けられるように

制定されたのが、20204月から始まる

配偶者居住権です。この話はまた今度。。

 

 

あとは遺言をつくるハードルとしては、

タイミングがありますね。

 

ガンが見つかった、じゃ速攻遺言!となると、

いかにも夫の余命はわずか感がありますよね。  

 

実在は病状は重くなくても、

夫にあらぬ不安をもたせてしまうかもしれません。

 

そんなとき、おすすめなのは

夫婦で遺言を作ることですね。  

 

よく言われることですが、

妻は親の相続で財産をもらっていることも多く、

何かあったときに財産をどうするか

決めておくべき場合も少なくありません。 

 

ですので、夫も妻も互いに財産を残しあう、

というのは納得しやすい方法です。 

 

でもね、本当は。。

私もあなたも誰にとっても

万一はいつ来るかわかりません。 

 

ですので、不動産を買ったらすぐ遺言を作るくらいの

リスクヘッジ感覚を持つのがいちばんなのだよね、

とつくづく思っています。  

 

正直、遺言なんて、、

色々な投資よりずーっとコスパいいですから(笑)。

 

相続は不動産のモンダイとよく言われます。 

 

不動産を買うというのは

唯一無二の財産を得る素晴らしい機会ではありますが、反面相続争いの種まき(辛辣ですみません)を

しているようなものだと弁護士的には思います。 

 

保険かけるくらいの気持ちで

リスクヘッジとセットで準備しておきましょう。

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