【「人助け」なんて無理なのよ】
こんなこと言うと、意外に思われるかもしれませんね。
でもこれ、本音です。
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弁護士になった理由のひとつに、困っている人を助けたいから、という理由がありました。
今でも基本的にはその考えに変わりはありません。
あらゆることについて困っている人の代理人になり、その人の法的問題にとことん最後まで並走し、終局的に解決できるのは弁護士だけ。
でも、仕事をはじめて14年になりますが、今思うのは、弁護士だからって誰か他人を助けられるなんて思うのはとんだ思い上がりだよ、ということです。
数々の法律相談やご依頼をいただき、できる限りアドバイスしたり、交渉したり、代理業務を行ったりしてきました。
そんな中で強く思うのは、結局、外側にあるいろいろな問題を解決したとしても、最終的にその後の時間を幸せにするのは、その人本人の力が一番大事だということ。
人が幸せになる、前向きになるためには、その人自身が自分で立ち上がり、前を向く必要があるんです。
弁護士とかが(偉そうに)「こうしなきゃだめだよ」とか「妥協しちゃだめだよ」とか、勝手にあれこれ結論づけたり一方的に評価するのは間違っていると思います。
これは、家族や相続の問題、仕事の問題、何にでも当てはまります。
「本当に自分が望む未来は何なのか」
「そのために何を選択して何を選択しないのか」
お金の問題とか、理屈の問題ではないところにその人の幸せがあることもありますし、その逆のこともあります。
最初に口に出した希望と本当の希望が違うことだってあります。
私が考える最良の専門家の姿とは、よく話を聞いて、本当の希望を明確にすること。
また、その希望を叶えるためになるべく多くの選択肢を提案すること。
これに尽きると思います。
そして専門家にできるのはここまで。
あくまでも道を決めるのは自分。
良いと思える選択肢を選択できるのは本人だけなのです。
専門性に徹したサービスをすることで「結果的に」人が助かることはありますが、「人助け」は専門家の仕事ではありません。
目的の設定、できる範囲を見誤るとろくなことありません。
何度でも言いますが、自分を「助け」られるのは自分自身だけ。
私は、お客さまにとって壁打ちの壁。自分の気持ちを映す鏡。
専門性や資格はあくまでもその手段。
これからも、お客さま自身が持っている答えに出会えるよう、並走して行きたいと思っています。
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写真は池袋の路上。白い紫陽花が美しい。もう初夏ですね。