乳がんのこと

乳房再建。選択までの道のり①同時か二次か。自家組織かインプラントか。

今、がん発見からの時系列に沿ったストーリーを少しずつ書いているのですが、思いのほか長くなってしまってます。

しかも復帰後、ありがたいことにあれこれ忙しくさせてもらっていて、全然文章書けない。

こんなペースじゃ、最もシェアしたいと思っている全摘出+再建のオプション選択の経験の話に一生行きつかないぞ、と思い始めました。

もしかするとたった今、情報を必要としている人がいるかもしれないので、全摘出+再建のテーマだけはフライングで記載しておこうと思います。

あくまでの私の体験からくる説明であって、人によっては不適切かもしれませんし私も専門家ではないので不正確かもしれません。医師の発言もあくまで私が聞いたものなので、誰にでも当てはまることではありません。何を選択するのがベストかは人によって違います。ドクターとよく相談してね。

結果的に、私は部分摘出の手術と、その3ヶ月後に全摘出+再建の手術(同時)と、合計2回の手術をしているのですが、全体の行程で一番苦労したのは全摘後、再建するかどうか、するとしてどうやるかというオプションの決定への道のりでした。

乳房を全摘出した後どうするかの選択肢は基本的には2つ。1つは切除のみ、2つめは再建。

さらに再建にも、タイミングの選択肢として一次(同時)再建と二次再建があります。

一次(同時)再建のときは、乳房全切除の手術と、再建手術とを一回の手術で行ってしまいます。

つまり、手術室に入るのは1回。手術が終わって目が覚めると、既に再建したシン・おっぱいがある、という状態になります。二次再建は全摘出の後一年後くらいに再度入院して全身麻酔の手術をします。

全摘出といえども、乳輪、乳頭(乳首)を温存するかしないかも選択肢です。

私は、比較的、乳首に近い乳管内にがん細胞の広がりが多かったので、主治医の先生から乳首も取ってしまう方が安全(乳首付近の乳管にがん細胞が残っていると、そこから再発の恐れがある)と言われたので、即決で乳首もまとめて摘出にしてもらいました。主治医の話では「取ってしまう人が多いですかね・・」ということでした。

私は一次(同時)再建だったのですが、二次再建を選ぶ方も結構多いようです。二次再建を選ぶ理由は、まずは局所治療を安定させることを優先したいという理由。万一、再発、転移となるリスクが高い場合、再建してしまうと治療に支障が出てしまうことになるためです。

もう一つ、二次再建を選択するメリットとしては、再建後の乳房の美観があります。

つまり、同時に再建すると、元の乳房の表面の皮膚もどうしても広範囲で切除することになり、同じボリュームの乳房をつくろうとすると皮膚が足りない!ということになるわけです。そのため、同時再建の場合は、どうしてもドナーとなる部分から皮膚を持ってきていわばパッチワークのように皮膚もつぎはぎするわけですね。

そのため、ドナーとなる部位の皮膚によっては、皮膚の質感が違ったり色が違ってしまったりすることが多く起きます。(実際私はつぎはぎ感ありますねえ。)

 

これに対して、二次再建の計画であれば、1度目の全摘出手術の仕上げに、乳房のあった部分に「ティッシュエキスパンダー」という風船みたいな装置を埋め込みます。文字通り皮膚を伸ばす装置ね。

それで、8ヶ月くらいの期間、徐々にエキスパンダーをふくらまして乳房の表皮を伸ばしていくわけです。  

 

こうすることで、再建する時にその表皮を使って自然な乳房をつくれるってわけ。 

このように手間暇かけてオリジナルの表皮を伸ばしてから再建するので、仕上がりもつぎはぎのない自然な乳房にできます。 

 

おっぱいの見た目にこだわるなら、二次再建、ということになるかもしれません。

 

 

再建となった場合、もう一つ大きな選択肢として、乳房の膨らみを何で作るか問題があります。 

 

ひとつはシリコンなどのインプラント(人工物)をつかう方法。

 

もう一つは、自家組織再建といって、ドナーとなる自分の健康な部分の肉を切り取って乳房として移植する、という方法。  

 

インプラントは手軽で、入院期間も短い(部分切除と同じ4日程度)。ただ、異物を入れるので拒否反応のリスクがあったり、12年に一回ほどの超音波検査や10年後に取り替えるなどメンテの手間がかかる。またインプラントの形が定型なので個人に合わせた仕上がりとならないかもしれない。そして、本当にわずかな症例であるが、腫瘍ができるリスクがある。 

 

他方、自家組織は自分の細胞なので拒否反応などのリスクは比較的少なく一度手術してしまえば基本メンテナンスフリー。なので、長期的な満足度では自家組織での再建の満足度が高いらしいです。 

ただし身体の別の部分にまあまあ大きくメスを入れることになるので当然その傷が痛いし、20センチから30センチの傷が残るし、入院期間も長く10日から14日となります。 

  

ちなみに、ここまでは健康保険利用の3割負担でできる選択肢ですが、実は隠れた選択肢として、インプラントも自家組織再建いずれも「美容形成外科」で行うこともできます。全額自費ですが。 

 

この場合、自家組織は、メスでざっくり切り取る、とかじゃなく、お腹やお尻の脂肪を管で採取して、この細胞を培養し、おっぱいに注入します。注入は日帰り手術で行い、平均数ヶ月毎に3回程度注入手術を受ければ完成。   

 

「自家組織再建」というとイメージ的にはこれの脂肪を吸い出して注入する、という図を思い浮かべる人も多いんじゃないかと思いますが、実際のところ、これは現在は全額自費の美容医療領域でしかやってません。

美容医療の気になる費用は、1回の注入手術(日帰り)に70万円。平均的には3回くらいの手術をすることになるそうなので、3×70210万円。  

 

私も一応検討はしましたが、とにかく一回の同時再建で終わらせたかったこと、それと私の場合「おっぱいのクオリティへのこだわり」がほぼなく、コストと時間をかけてまで得たいベネフィットが自分的に見つからなかったので選びませんでした。

 

 

このいくつもの分岐点で、全摘出同時再建自家組織を選択したところまではあまり迷いがありませんでした。 

 

が、私が最も悩んでセカンドオピニオンにまで行ったのは、再建のオプションでした。ドナーをどこにするのかっていう話。

 

病院によって選択肢は異なるのですが、一般に、ドナー候補は次のような部位。 

お腹の肉、背中の肉、太ももの肉、臀部の肉。 

 

正確にはお腹の肉については複数手法があるのですが、大枠こんな分類になります。    

 

「どこをドナーにするのか。」

  

その選択をするのは容易ではありませんでした。つづく。

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