(これまでのあらすじ)
ステージゼロの乳がんと告知され
→部分摘出の手術したが→結果、乳房全摘出の運命になり→それなら再建したいなと考え→同時再建がいいなと思い→さらに自家組織がいいかなと考えて→じゃどこからとる?というところまでたどりついたものの→情報が足りなくて選択できなくなったため情報ゲットしようと考えてT-PEC(ティーペック)のセカンドオピニオンサービスまで行き着いた!←今ここ!
いや。。ここまでのあらすじだけでボリュームありすぎでしょ!(ツッコミ)
それにしても本当に長い道のりだったのだよな(遠い目)。。
全てを終えて振り返ってみると、ほとほと大変だったなと思いますわ。心底繰り返したくない。
はい。というわけで再建の旅その④です。セカンドオピニオンの先生の診察室を開けるところから。
セカンドオピニオンの先生(以下、セカンドの先生)は、想像どおりのサバサバ系、若々しい系の先生でした。
席についてすぐ、一番気になっていた背中ドナーの再建によるその後の影響について質問しました。
すると、先生からはやはり「日常生活に支障はないよ」というお話。
「でも、三井記念病院では太ももドナーが多いんですよね?」と聞くと、
「あ、僕が太ももでやるのは、背中だと、手術中に一度ゴロンと身体をうつ伏せに動かさなきゃいけないでしょ?全身麻酔で意識を失っている人をひっくり返すのって大変なんだよね。だから手間がかかるっていうだけの話で、背中ドナーを否定するわけじゃないんですよ。」
という予想外かつ、私の悩みを見透かしたかのようにサクッとポイントを解決してくれるお答え。
いや実は、ネットで見る限り、最近では割と太ももドナーをやる病院の方が主流のように見えて、また太ももドナーの再建の方が「身体への負担は少ない」という書き方なのですよね。
なので、背中ドナーって、やはり負担が大きいんじゃないかとか、生活に支障が出るに違いないとか、そういう事情で淘汰されつつあるのではないか、とか勘繰っちゃってたんです。
それを朗らかに打ち消すセカンドの先生。
さらに、先生は続けます。
「背中の広背筋って形成外科的には便利な筋肉なんだよね。乳房の再建に限らず、色々な再建に使われるんです。取ってしまっても他の筋肉が補ってくれるんですよ。」
「人の筋肉ってすごくて、例えば上腕二頭筋を失っても、この前腕(肘から下)にある〇〇筋(忘れました)が発達して補う動きをし始めるんですよ」などと、具体的に説明してくれました。
やはり当事者としては、健康なところにメスを入れるなんていいんだろうか?とか、筋肉なんか切り取ったら大きな影響があるんじゃないか?とか、どうしてもウエットに捉えがちです。
なので、先生のお話から、「医師は、そんなふうに科学的に、客観的に手術ってものをとらえてるのね」と改めて感じました。
やはり迷ったり困ったらともかく専門家の話を聞くのって大事としみじみ。
で、気になる「ヨガが今後できるのか」についても、
「うーん、問題ないんじゃないかな。ボートの選手とか、懸垂が趣味の方だと背中ドナーは避けた方がいいかもしれないけど」
というお話でした。
要は、広背筋を一部失うことで、「腕を引く」動作に影響があるんだそう。
あと結構これが大きかったんですが、太ももドナーでやるとすれば、同時再建はお勧めしない、というお話もしてくれました。
なぜかというと、太ももの皮膚の色と胸の皮膚の色って異なることが多く、つぎはぎ感が際立ちやすいので、先生的にはなるべく二次再建で(胸の皮膚を時間をかけてエキスパンダーで伸ばしてから)やりたい、とのことでした。これは、肌の色味とか、個人差もあるのだと思うので、気になる方は医師に相談したらいいと思います。
したがって、もし太ももでやりたい!とこだわるなら、今のがん専門病院で全摘出手術を受けた後、一年後に三井病院に再入院して太ももドナーの再建をする、というのが推奨スケジュールになりそうだな、とわかりました。
そんなわけで、このセカンドオピニオン、大事な情報を獲得できるすごく良い機会でした。
先生も、すぱっとポイントに的確に答えてくれるし、雑談もしてくれて和みました。
実は三井病院には、関連して別日に乳腺外科の先生のセカンドオピニオンにもいったのですが、こちらの先生もとても丁寧で詳しくお話がきけました。
結果的に、三井病院にお世話になることはなかったのですが、セカンドオピニオンに際してお世話になったティーペックの担当の方にも、先生方にも感謝しています。
こうして、合計4名の医師のお話を聞き、その後もあれこれ考え、そのうちだんだん考えるのにも疲れてきた結果、今の病院のまま「同時再建+背中ドナー」でいく!ということになったわけです。
ぐるっと一周回って、結局、推奨されたスタート地点に戻ってきた感じはありましたが、この一周には意味がありました。
セカンドオピニオンは、病状など個人差があると思うので、全員におすすめというわけではありませんが、もし方針に迷うことがあれば、納得いく選択ができるよう、手間ひまかけて考えるのも大事だと思う。
自分のことですからね。
参考)
私が熟読していた国立がん研究センター東病院のホームページ。
https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/clinic/plastic_surgery/ps/02.html