いろいろについての考察

カムカムエブリバディにみる戦争と平和

今期の朝ドラ「カムカムエブリバディ」もいよいよ最終回間近ですね。 

 

このドラマ、異様に展開が早くて、通常なら1ヶ月で語る話を1週間、なんなら1日でサクサク進めてくれるのでストレスなく毎朝楽しみに見ていました。 

例えば、一回見逃して次を見たら、失恋したヒロインが新しい出会いを経て結婚して出産してる、みたいな速度です。 

 

なんでそんなスピーディなのかというと、3世代の母子が主人公で、要するに朝ドラ3つ分をワンクール(半年)に詰め込んでやるからなんですよね。 

 

最初のヒロインは、戦前生まれの女性。 

次はその娘で戦後を生きた女性。

最後はその娘で昭和生まれのちょうど私くらいの世代の女性。 

 

このドラマを見て強く感じたのは、戦争の時代と今の時代は地続きなんだ、ということ。 

最初のヒロインは、戦中に恋をして結婚しますがまもなく夫は出征してしまう。ヒロインの身近な人たちも、市内への爆撃や徴兵で死んでしまう。というように人生を戦争に振り回されます。 

戦争が始まる前は、現代とそんなに変わらない、平凡だけど幸せな日常を過ごしていた人たちが、戦争により命、財産を奪われるという目に遭う、その不条理さと異常さが、恐ろしいことにスタンダードになっていた時代。

そこから途切れることのなく令和の今まで繋がる母子三代のストーリーは、主人公たち自身の人生のストーリーはもちろん、その背後に一つの帯のように戦前からずっとつながっている「時代」を描いています。  

 

これまでいくつもの朝ドラで戦争が描かれてきましたが、切り取られるとどうしても過去のお話に見えてしまいます。 

でも今回は、ストーリーの背後の時代がパノラマのようにつながって見えることで、今を生きる私たちの立っている場所は、戦中のヒロインの立っていた場所とつながっているのだ、と思い知らされます。 

もっと言えば、今からそう遠くない未来、同じ地平上に新たな戦争の歴史が待っているかもしれない。うかうかしてるとあなた達も戦地を踏むかもしれないよ、と。

もしかしたら、このドラマの制作者の本当の意図は、そのことを伝えたかったのではないかと思います。

 

私は昭和50年生まれですが、その当時からみると、まだ戦後30年ほどしか経っていませんでした。私の育った下町では、街なかに敷物を引いて座ってお金を乞う「傷痍軍人」と呼ばれる人がいました。

 

また、小さい頃には、戦中を過ごしたおじいさんお婆さんたちが戦争のことを話しているのをなんとなく聞いていました。 

小学校で「はだしのゲン」を見たときには心底恐怖で日中外を歩けませんでした。

そんなまだ戦争のにおいの残る時期を感じていた私でも、すっかり戦争は単なる物語や人ごとになっていました。

でも、半年間、カムカムエブリバディでこの100年をヒロインと追体験する中、奇しくも現実に、日本からそれほど遠くない国で戦争が起こってしまい、日々被害が報道されるにつれ、改めて「戦争は過去の一点のストーリーではない。平和は不断の努力で追求し続けなければならない。」と思います。

日頃、私もセミナーで「知識は自由への翼」とお話ししていますが、これはなにも個人の権利や利益の話ばかりではなく、世の中の安心や平和の維持にもつながることなのかもしれません。

知ること、考えることをやめないことが何より大切ですね。

※写真は、お世話になっている方からいただいたどら焼きです。とても美味しかったので、多分、「美味しくなあれ」と言って焼かれたはず。

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