人生には目に見えないつながりがある。「特別縁故者」のハナシ

最近、「引きこもり」と言われる人たちをめぐる問題がニュースでとりあげられていますね。

これはいま急に増えてきた、ということでなく今までは外側に発信されることもなく、単に見えにくかっただけ。

おそらくいつの時代も、あまり社会や他の人との接点がなく、誰かと接したり、家族を持ったりせずに生きている人は一定数いるのだと思います。

わたしも振り返ると、ほんの少しの違いでいまとは違う人生を歩んでいたのではないか、と思うことあります。

これからだってどうなるかわかりませんし。

誰にとっても他人事ではないと思います。


たまたまなのか自分から進んでなのかはさておき、一人でいることを選んだ方が中高年になってから亡くなった場合、法律的に「相続人なし」となるケースがあります。

子どもや配偶者(結婚した妻や夫)がないだけでなく、親も兄弟もない、というケースですね。

相続人なし、という方が亡くなると、その方の持ちものは、誰のものでもなくなります。

何も持たない、という方もいますが、親から相続した土地があるとか、預貯金があるとか、財産を持っている方も多いので、実はこのような宙に浮いた財産はみなさんの周りにもたくさんあるのですよ。
誰のものでもなくなるとどうなるか。

「国庫に帰属するんでしょ」と思う方は上級者ですね。

ただ、実は、国庫に帰属するというハナシになる前に、一般の人が、その誰のものでもない遺産を引き継ぐ事ができるケースがあります。

それが特別縁故者(とくべつえんこしゃ)。

法的には親兄弟などの相続人ではないけれど、相続人とおなじくらい深い縁故があるよね、と認められた人が、亡くなった方の一部または全部の遺産をもらうことができる場合があるのです。


実は、この特別縁故者、弁護士でもやったことのある人はあまり多くないかもです。私調べですが。

というのも、特別縁故者は、教科書などでは「超レアケース」みたいに書かれていることが多く、やる前から「無理」と思われがちなんじゃないかと思います。

私も最初に受任した時は、無理なんじゃないか、と思いました。

でも、実は、縁故ってよくよく詳しく聞いてみると、見つかるものなんですよね。

身寄りがないからと、おばさんが甥っ子を一生懸命面倒を見てあげていたとか、亡くなった人のいとこと、若い頃から兄弟のように付き合っていたとか。

長い長いストーリーである人生。

最後に「おひとりさま」と言われたひとだって、こどもの時、学生の時、大人になってからなどなど、実は完全な「おひとりさま」じゃないことも多いように思います。

小さな頃からの背景をひもといていくと、「深いつながりがあったのだろうな」とか「ああ、それは、亡くなった方もその人に残して上げたいと思っているに違いない」と確信できるケースもあります。

そこを丁寧に聞いて、丁寧に伝えると、案外、裁判所も特別縁故者への財産分与を認めてくれるもの。

亡くなるときはたった一人孤独で「おひとりさま」といわれたひとが、人生のどこかで誰かととても素敵なつながりを持っていたんだ、というストーリーを発見していく作業は、やっているうちに目頭が熱くなるようなやりがいのある仕事です。

それが私にとっての特別縁故者の財産分与申し立てです。


いとこ、はとこ、甥っこ、姪っ子、お隣さん。。。

「相続人」ではないけれど、この人達も、ひとりきりで亡くなった方の縁故者かもしれません。

空き地、空き家、おひとりさま・・・という少し殺伐としたキーワードと共に、「特別縁故者」という言葉を、ちょっぴり温かいイメージとして記憶の隅に残しておいてもらえたら嬉しいです。

そして、もしも自分も誰かの縁故者かもしれない、と思ったならば、そのストーリーを聞かせてください。

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